2024年7月に茨城県日立市にある会瀬(おうせ)漁港を訪れました。会瀬漁港は、「第1種漁港」と呼ばれる、地域に根差したアットホームな漁港の一つです。
そもそも日本にある漁港は、経済的効果や特徴に応じて第1種・第2種・第3種・特定第3種・第4種と分類されていて、そのうち「第1種漁港」は、地元の漁業を中心とした利用を主な目的としている漁港で、一般的には小規模であることが多いです。
一言で「小規模」と言っても、全国の指定漁港のうち実に7割以上が第1種漁港で、多くの地域で地元の漁業を支える重要な役割を果たしているとともに、地域によって特色も様々で非常に面白い漁港でもあります。
そんな第1種漁港ですが、近年では人口減少や需要の変化の影響を受けて、産業を維持するために新たな取り組みが求められている地域も少なくありません。そこで、みらいマルシェでは、第1種漁港にも積極的に足を運び、魅力ある地域のお魚を全国の食品スーパーに提案する機会をつくっています。
今回は「三陸産と常磐産 うめぇもん!キャンペーン」にみらいマルシェアプリを利用してくださっているスーパーが複数社参加するということもあり、茨城県の新鮮な魚をより多くご提案できる体制を整えるため、会瀬漁港を訪問しました。
会瀬漁港といえば、茨城県内で唯一定置網漁業を行っているのが特徴です。昔から代々受け継いできた伝統を大切に、環境にも魚にも優しい漁法で丁寧に漁を行っているそうです。(定置網漁業についてもまた別の機会に詳しくレポートしたいと思います!)
さて、到着して待機していると、朝8時前頃から仲買人(買受人)さんたちが集まり始め、並んだ魚の確認をはじめました。会瀬漁港では、魚それぞれに買いたい価格をつけて、それを書いた紙を指定時間までに競り人に渡すという流れで競りが進むそうです。
入札時間が締め切られると誰がいくらで落札したのか結果が読み上げられます。皆さん、真剣な表情で落札価格を記録していました。自分が落札できた魚だけでなく、すべての魚の記録を取ることで、翌日以降の入札の参考にしていると教えていただきました。
この日はアジ、サバ、ソウダガツオなどが獲れていました。どれも定置網で獲れた状態の良い魚ばかり。中でもアジはサイズもしっかりしていて立派でした。
他にも数は少ないながらも、立派なヒラメ、ホウボウをはじめ、マダイやマトウダイなどなど、どれもお店に置いたらすぐに売れそうな魚たちが並んでいました。
テキパキと、でもゆったりとした時間が流れる中、大きな市場のような賑わいはないけど、地元の方々が集まり、地元の魚を扱うお店が集まる。そんな会瀬の朝の風景を見るうちに、地域の暮らしを支える漁港の重要性を改めて感じるとともに、これからの水産業の発展に向けてみらいマルシェができることが何かを改めて考えさせられる時間でした。
「三陸産と常磐産 うめぇもん!キャンペーン」に参加するスーパー・小売店では、8月からすでに会瀬漁港をはじめ茨城県の新鮮なお魚がどんどん並んでいます。今後このキャンペーンを機に、みらいマルシェを通じて全国のスーパー・小売店にたくさんご提案していきたいと思います!
このたびは会瀬漁港の皆様、ありがとうございました!