3つの海が集まる、北九州の魚市場を訪ねました

2024年3月後半、福岡県北九州市にある 北九州市公設地方卸売市場(北九州魚市場) を訪問しました。

北九州と聞いて魚のイメージをもたない方も多いかもしれませんが、地理的に、潮の流れが早い 関門海峡 、日本海側の 響灘 、瀬戸内海側の 周防灘 と3つの海に囲まれていて、季節ごとに多種多様な美味しい魚が集まってくる地域です。

九州内での消費が多いこともあってか、他県では「北九州の魚」として認知して味わう機会は少ないと感じていました。北九州の魚をもっと全国のスーパー・小売店に向けて紹介していきたい!という想いから、今回の訪問に至りました。

北九州魚市場には関門海峡、響灘、その西の玄界灘、周防灘などから特色ある魚が集まります。

北九州魚市場には関門海峡、響灘、その西の玄界灘、周防灘などから特色ある魚が集まります。

さて、朝4:00前に鮮魚の競り場へ。鮮魚の入った発泡スチロールがずらっと並び、競りの時間を今か今かと待っているようでした。

競りを待つ、嵐の前の静けさ。

競りを待つ、嵐の前の静けさ。

競り場では、福岡の春の魚であるコウイカやカサゴ(アラカブ)を発見!春の嵐が連続していて、前日も風が吹いていたため水揚げは少なめだったようですが、多種多様な魚が並んでいました。聞いた話によると、時化の時でもイカ類はある程度の量が並ぶらしく、競り場一面がイカだらけということも珍しくないということでした。

北九州の春の代表格、コウイカ。

北九州の春の代表格、コウイカ。

釣り人にも親しまれる根魚、カサゴ。九州ではアラカブと呼ばれます。

釣り人にも親しまれる根魚、カサゴ。九州ではアラカブと呼ばれます。

スズキ、アカエイなど。アカエイって姿形が可愛いですよね。

スズキ、アカエイなど。アカエイって姿形が可愛いですよね。

4:30から競りがスタート。地域によっては発声をせずに静かに進行する競りもありますが、北九州魚市場は活気があって、競り人の威勢のよい掛け声が場内に響き渡ります。

北九州魚市場では2社の荷受(大卸)が同時間帯に次々と競りを進めていくので、どの仲買人さんたちも忙しそうにしていました。

競りがスタート!市場全体が活気づく瞬間です。

競りがスタート!市場全体が活気づく瞬間です。

仲買人さんたちは競り落とした後、北九州市内や近隣のスーパー・小売店・飲食店などに魚を配送したり、市場内の売り場に魚を並べて買出人に販売したり、県外の取引先への出荷作業を行ったりと、終始テキパキと動いていました。

邪魔にならないように仲買人さんたちの動きを見守りながら、私も市場内を歩き回り、北九州の魚の特徴や魅力を感じることができました。

北九州市で養殖が始まり、今では豊前海全域で養殖されている『豊前海一粒かき』

北九州市で養殖が始まり、今では豊前海全域で養殖されている『豊前海一粒かき』

赤貝やタイラギなど貝類も豊富。

赤貝やタイラギなど貝類も豊富。

ビッグサイズのアジ。美味しそうです!

ビッグサイズのアジ。美味しそうです!

2024年5月に北九州市は『寿司の都』を目指すことを宣言したとニュースで知りました。豊富な魚種はもちろん、市場の活気や仲買人さんたちの熱意を感じることができて、その目標に向けての取り組みがより身近に感じられた気がします。

みらいマルシェでも北九州の新鮮で多様な海の幸を全国に伝えることができるよう、今後全国のスーパー・小売店への新たな流通をつくっていきたいと思います!

北九州魚市場の皆様、ありがとうございました。